4月から6月の残業代が増えると「社会保険料」も増える?

毎月給料から天引きされる項目に社会保険料があります。社会保険料には厚生年金保険料と健康保険料が含まれますが、この2つの保険料額が4月から6月に受け取った報酬額で決められているのをご存知でしょうか。
つまりこの期間に残業代などを多く支給されると、その分給料が増え、結果的に1年間の社会保険料が高くなってしまうのです。

社会保険料の決まり方

社会保険料は前述のとおり4月から6月までの報酬額によって決定されます(報酬は労働に対して支払われるすべての対償を言い、残業代も報酬の一部です)。

報酬額というのは毎月変動するもので、それらを毎月計算して社会保険料を決定するのは非常に面倒。ということで、毎年4月から6月の報酬の平均額を出して、それをあらかじめ用意してある「標準報酬月額」という基準に当てはめて社会保険料を決定しているのです(厚生年金の保険料は一般の被保険者が18.182パーセント、これを会社と折半するので、実際の負担は9.091パーセント。健康保険の保険料は健康保険委よって違いますが、全国健康保険協会管掌健康保険であれば、9.91パーセントの半分の4.995パーセント。これらの料率を標準報酬月額にかけることで社会保険料が決まります)。

標準報酬月額は、健康保険は50段階、厚生年金保険であれば31段階の等級に分けられていて、報酬額が上がれば上がるほど等級が高くなり、また支払う社会保険料も上がります。
たとえば、報酬額が「23万円」であったとすれば、23万円以上25万円以下の標準報酬額にあたり、社会保険の等級は16で、標準報酬月額は「24万円」。
4月から6月にかけて残業が増えて、残業代2万5千円が報酬として「23万円」に上乗せされたとしたら、報酬額は「25万5千円」になります。これは17等級にあたり、標準報酬月額が「26万円」になり、社会保険料が上がってしまうという結果になるのです。

4月から6月に残業を多くすると損?

4月から6月に残業が増えて標準報酬月額が上がれば、1年間の社会保険料が増えます。またそれ以外の月に残業がないと報酬額は減るものの、1年間の標準報酬月額は据え置き。ですので、これだけ見ると損をしているように感じるかもしれません。
しかし、被保険者だった全期間の標準報酬月額が将来年金を受け取る際の年金額の決定に反映されます。つまり標準報酬月が増えるというのは将来受け取る年金の額をあげるということにもつながり、必ずしも損するというわけではないのです。

4月から6月の残業代が増えると「社会保険料」も増える?

確かに4月から6月にかけて残業代が多く支給されて報酬額が増えれば、標準報酬月額が上がり、結果的に社会保険料も上がります。しかしその分将来受け取る年金額も増えるので、それほど心配することはないのかもしれませんね。