賃金格差の解消の秘策!? 同一労働同一賃金について

同じ仕事内容なら肩書に関係なく同じ賃金であってほしい。
派遣社員の方であれば特にこう思うでしょう。
なかなか実現できなかった同一労働同一賃金ですが、ここにきて推進する動きが出てきています。その実現は……

同一労働同一賃金とは

賃金格差解消の切り札として政府が実現に向けた取り組みを進めているのが「同一労働同一賃金」の徹底です。
同一労働同一賃金とは「労働の内容が同一のものであるならば雇用形態にかかわらず同一賃金を支払うべき」という労働概念であり、国際労働機関(ILO)は同一労働同一賃金の原則を基本的人権のひとつとして掲げています。

同一労働同一賃金は出自や宗教、思想信条にかかわらずすべての労働者を平等に扱うことを目指しています。
労働におけるあらゆる差別の撤廃にもつながるとして同一労働同一賃金の徹底を進めることが世界の主流となっているのです。

同一労働同一賃金のメリット

日本における同一労働同一賃金の最大のメリットは、雇用形態による収入格差の是正です。
日本は雇用形態による賃金格差が諸外国と比べても大きく、派遣社員や契約社員などの非正規社員は同一労働であっても正社員の6割程度しか賃金が支払われていないのが現状です。

アルバイトやパートは更に厳しい状況に置かれており、正社員並みの責任と能力を求められる仕事をこなしていても雇用形態が違うというだけで賃金が半分以下というケースも珍しくありません。

同一労働同一賃金を徹底することにより正社員と非正規社員間の賃金格差を縮小することができれば多様な働き方が出来る社会が実現されるでしょう。
子育てなどさまざまな事情で仕事を離れた人を人材として有効活用できることが期待されています。

今日では若年層の不安定な雇用による将来への不安と低賃金による生活苦が大きな問題となっているのが現状です。
同一労働同一賃金が実現すれば雇用形態にかかわらず働き次第で一定水準の収入が得られるようになり貧困問題の解決につながるでしょう。

同一労働同一賃金の懸念

同一労働同一賃金の懸念

雇用形態による賃金格差が解消される同一労働同一賃金ですが、必ずしも明るい展望ばかりではありません。

最大の懸念としては、同一労働同一賃金により正社員の賃金水準が非正規社員並みに引き下げられてしまう危険性が指摘されています。
同一労働同一賃金は働きに応じた賃金を支払うべきであるという思想に基づき非正規雇用で働く人たちにも正社員並みの賃金を支払うというのが本来の考え方です。

しかし、日本では経営者が賃上げを極端に避けようとする傾向が見られ、現状で同一労働同一賃金を徹底させると非正規社員の賃金を引き上げるのではなく正社員の賃金が下げられてしまう恐れがあります。

現状で同一労働同一賃金を導入した場合、賃金格差が悪い形で解消されてしまい労働者の所得が大きく下がってしまう可能性があります。
正社員の賃金が大きく下がってしまうと消費性向が大きく低下し、内需の低迷による深刻な不景気が巻き起こる可能性があります。

同一労働同一賃金を企業に徹底させるのであれば便乗賃下げを防ぎ非正規の待遇が改善されるよう徹底的な監視と指導を行う必要があります。

同一労働同一賃金は労働者にとっては実現してほしいものです。誰が行うにしても労働として平等に扱い評価することに仕事の質も高まることも期待されます。しかしまだ課題もあり労使間でどう乗り越えていくかが問われています。今後も注目していくべきトピックです。