経団連の案「日雇い派遣」の原則禁止撤廃で労働者はどうなる

経団連は2016年10月に、今後「日雇い派遣を原則禁止」を撤廃すること、「グループ企業内の派遣規制の廃止」などを政府に求めました。
この経団連の雇用・労働分野規制改革が認められた場合、どのような影響を受けるのでしょうか? ここでご紹介します。

日雇い派遣の原則禁止

日雇い派遣は、よく「スポット派遣」「単発派遣」等とも呼ばれています。
日雇い派遣は、主に軽作業や工場・倉庫等での業務が多く、他にもイベントスタッフやコールセンター等といった業務に多い派遣スタイルです。
その日雇い派遣に対して、経団連が今年度の雇用分野における要望案にて「日雇い派遣」の禁止の見直し等を求めていることが分かりました。

日雇い派遣は2012年に労働者派遣法によって「日雇い派遣は原則禁止」となっており、その理由としては以下の内容があります。
・日雇い派遣はキャリアが身につきにくい
・仕事と時間に対して低賃金であることが多い
・日雇い派遣の仕事がある時とない時の差が顕著
など

これらの理由から、「日雇い派遣はワーキングプアの原因になっている」と批判を受け、日雇い派遣を原則禁止としていました。
そのため、日雇い派遣が原則禁止されたことについては評価する一方、それらをアテにして働いていた人の雇用機会を奪ってしまったという批判もあり、賛否両論となっているのです。

グループ企業内の派遣規制

経団連の今年度の雇用分野における要望案では、同時に「グループ企業内の派遣規制」の撤廃を求めています。
「グループ企業内の派遣規制」ができた背景としては、企業が子会社として人材派遣会社を設立、子会社の派遣会社に登録した派遣社員を親会社やグループ企業等に派遣する事で、人件費を安く抑えようという企業の考えがあったとみられています。

しかし、それだと正規雇用する動きが減り、さらにすでに働いている正社員を解雇して派遣会社に登録させて非正規雇用にして働かせるなどの恐れがありました。
そうした労働条件の悪化を防ぐために、2012年の法改正によって、「グループ企業内に人材派遣会社が派遣社員を送る割合は全体の8割以下」と定められました。

しかし、経団連は「8割の根拠が薄弱」としてグループ企業内の派遣規制の廃止を求めております。

もしも要望案が認められたらどうなる?

もしも要望案が認められたらどうなる?

もしも日雇い派遣の原則禁止とグループ企業内の派遣規制が見直し・撤廃された場合、これからの労働環境はどうなっていくのでしょうか?
メリットをご紹介します。

≪メリット≫
・規制が無くなることで全体的に雇用が増える
・企業が派遣労働者として雇うことで人材を長く雇用し続けることができる
・次の仕事を見つけるまでの繋ぎとして日雇い派遣を利用しやすくなる
・グループ企業への派遣規制の撤廃によって、グループ企業全体の雇用増加が見込まれる

経団連の要望案にある「日雇い派遣の原則禁止」「グループ企業内の派遣規制」の撤廃が通れば、雇用は増えると予想できます。
ただ、そのほとんどが非正規雇用である可能性も否定できない状況にあります。
今後、社会全体で非正規雇用の立場向上のためにどう動くのかが、重要な問題となってくるでしょう。